私の田舎では、要領が悪くて、のろくて、もたもたしていることを、「どぐさい」という。
親が子に「どぐさいな!」
人に「あいつはどぐさいやつじょ!」
丁寧語の少ないところなので、直裁である。
今でもこの言葉が健在であるかは知らないが、今朝何十年ぶりに突然思い出した。
実に私がどぐさいことをやったからである。
新聞や広告紙を束ねようとしたとき、あっちにするり、こっちにするり、
パチッといかない。いらいらして、ぴったりの言葉が出たのだ、実に「どぐさい!」
私のように、もともとのろいのがどぐさくなって、いらちになると始末におえない。
歳をとるとまさしく、のろくなって、どぐさくなって、いらち(せっかち)になる。
一日が、こんな三拍子で過ぎるときは、お手上げなので、あきらめて、
「家政婦は見た!・・・」などを見る。