カンガルーは特別好きな動物じゃない。
でもいつの間にやら登場人物の一人になってしまっている。
最後までカンガルーの特性がわからないところなど、
楽しいミステリだ。
海千山千の連中が、打って出ていく。
カウンターやジャブや、ボクシングの試合のようでもあって、
わくわくしながら、セコンドを務めたりする。
読後感のとびっきりいいのもギャリコの特徴だ。
大人の童話だ。
ひとつだけちょっと不満がある。
男の書き方はさまざまだけど、女のほうはちょっとね!?
ギャリコはいい人生を生きたのだろうな。
思いやりとユーモアのセンスにあふれている。