S・J・ローザン/直良和美 訳
この作者のものははじめから全部読んでいる。
リディア・チンとビル・スミスが交互に活躍する探偵ものだが、
2巻「ピアノ・ソナタ」
8巻のこれが好き。どちらもビルの巻。
チンの巻はチンが中国系ということもあって
中国の風習を説明しすぎるきらいがある。
ビルのほうが自然体になっている。
今回はアメリカンフットボールの内情を書いていて、
普遍的なアメリカ人が少しばかりわかった気がする。
西部劇の時代の心情が色濃く残っているような気がする。
男社会だな。(想像でしかないが)
ビルはピアノが好きだ。そのピアノの好みが私と似ているのだ。
そっくりといっていい。
ローザンの目線が好きだ。庶民の目線で揺らぎがない。
訳者とぴったりだ。翻訳ものは訳でまるっきり変わってしまう。
長編は最近苦手だが、長さが苦にならず、次はなに、次はなに、と
家事を手抜きで読んでしまった。
これでおしまいなのかなあ、この人のものは、もっともっと読みたい。
私は創元推理文庫が好き。
あの鍵マークをみるとわくわくしてしまう。